- 5月 17, 2023
誤飲・誤えんした時の対応と中毒センター問い合わせ方法
こんにちは!湘南辻堂こどもクリニックの坪田伶那です。
今日は、お家で過ごしているときに起きやすい事故のお話しをします。
5歳以下のお子さんは、身の回りにある様々なものを、誤って飲み込んだ(誤飲した)り、気道に入り窒息(誤えん)したりすることが多いです。
飲んだものが危険なものだったり、窒息したり、中毒症状がでていたら、急いで受診しなければなりません。ものによって対応が異なるので、吐かせたり、水や牛乳を飲ませたりする前に、慌てずに対応を確認しましょう。以下の対応を参考にして下さい。
夜間休日でも緊急受診して欲しい場合
★症状★
- 飲み込んだとたん、咳が始まって止まらない
- 呼吸するときぜーぜー、ヒューヒュー音がする、肩で息をして苦しそう
- 顔色が悪い、ぐったりしている
- 吐き気、嘔吐
- 意識がない、けいれんする *救急車を呼びましょう!
★飲みこんだもの★
- 電池(特にボタン型電池はすごく危険!)
- 2個以上の磁石
- 石油、ガソリン、除光液など揮発性のもの
- 漂白剤やカビ取り、生石灰乾燥剤(お菓子、のりなどに使用されるタイプ)などの強酸性・強アルカリ性のもの
- 防虫剤の樟脳(しょうのう)、なめくじ駆除剤
- 鋭利なもの(がびょう、ガラス、ホチキスの針など)
- タバコを浸した水、加熱式タバコ、紙巻きタバコ(2センチ以上)を飲んだとき
自宅で様子をみてよいとき
- 紙
- クレヨン
- 粘土
- 絵の具
- 墨汁
- シャボン玉
- 線香
- 乾燥剤(シリカゲル;食品やカメラなどに使用されるタイプ)
- 化粧品
- 石けん
- 硬貨
- 紙巻きタバコ(2センチ以下)
などを誤飲し、症状がない場合は様子を見ても問題ありません。口の中に見えるところにあったら、そっと声をかけて出させるか、指を入れて取り出してもよいです。大声を出すとお子さんがびっくりして飲み込んだり、奥の気道に入ることがあるので注意が必要です。胃に入ったら、自然に便の中に出てくることがほとんどです。
*吐き気、嘔吐、顔色が悪い、ぐったりしているなどの症状が出てきたときは、受診しましょう。
*薬品や洗剤などについては、内容によって対応が異なります。無理に吐かせたりせずに中毒センターなどに相談して指示を受けてください。相談する際は、できるかぎり、飲んだ可能性のある製品情報をお手元にご用意ください。
中毒センター連絡先(全国各地から問い合わせ可、情報提供料:無料)
①たばこ専用(365日 24時間対応、自動音声応答による情報提供) 072-726-9922
②大阪中毒110番(365日 24時間対応) 072-727-2499
③つくば中毒110番(365日 9時~21時対応)029-852-9999
※②、③は以下の内容が相談可能です。
- 家庭用品:乾燥剤、化粧品、タバコなど
- 医薬品:医療用医薬品、一般用医薬品(OTC薬)
- 農業用品:殺虫剤、殺菌剤、除草剤、肥料など
- 自然毒:フグ、マムシ咬傷、きのこなど
- 工業用品:硫化水素、化学薬品など
ワンポイントメモ
*誤飲で最も多いのは、タバコです。お子さんが触れないよう、特に気をつけてください。もし2cm以上飲み込んでいたり、タバコを浸した液体を飲んだ時は非常に危険です。症状が出るまで待たず、すみやかに受診(特に1時間以内)することも大切です。
*気道に入り込んで窒息する危険性があるのは、4センチ以下のもの全てです。食べ物でも、ピーナッツ・豆類・お菓子類などは窒息することが多いので、気をつけましょう!
*実際の外来診療では、何を、どのくらい飲み込んだか分からないことも多いです。突然オエオエしだした、置いてあったはずの電池などが見当たらない、ガビョウが散らばっている、口の中を気にしている・・・など、様子がおかしいときには、無理せず、受診相談をしてください!