- 5月 19, 2023
熱中症(予防、受診の目安、対処法、風邪との見分け方)
こんにちは!湘南辻堂こどもクリニックの坪田伶那です。
気温が上がってくると話題になる熱中症ですが、身近な対処で予防できる一方、短時間でも死に至るほど重症になることもある怖い病気です。今回は熱中症の予防策と、対処法についてお話します。
熱中症の予防
子どもは背が低く、照り返しの影響が大人より大きいこと、暑さに対する抵抗力が低いこと、遊びに夢中になると自分の体調の変化に気がつかないことから、暑い場所に1人にしない、服装や温度調整などの工夫、水分を30分〜1時間に1回は与えるなど、大人が気にかけてあげる必要があります。
喉が渇いたときにはすでに脱水が始まっています。暑い場所に行くときや、スポーツで汗をたくさんかくときなどは、意識して水分・塩分を摂るようにしましょう。そして、早期に熱中症を見つけて治療することで、重い症状を防ぎましょう。
熱中症の分類
レベル1:現場・自宅の応急処置で治療可能!
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の汗をかく、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)などの症状がある。
→ 日陰で、脇の下や首などを冷やして、ぬれタオルで身体を拭き、風を送り、後述の通り自宅治療に適した飲み物で、水分・塩分を摂りましょう。
レベル2:救急受診が必要!!
頭痛、嘔吐、だるい、ぐったり、「いつもと違う」程度の意識障害などの症状がある。
→ 体温を下げ、安静にし、充分な水分と塩分の補給(点滴など)などの治療を行います。
レベル3:救急車を呼ぶ必要がある!!!
呼びかけへの反応が悪いほどの意識障害があり、歩けない、痙攣するなどの症状がある。このときは、もはや汗が出ず、体温40℃以上に達することが多いです。
→ 入院加療が必要になります。
熱中症の自宅治療
もし熱中症かな?と思ったら、自宅治療に適した製品として、オーエスワン(OS-1)、アクアライトなどのイオン飲料などを飲みましょう。当院にもご用意がございますし、近隣の薬局でも手に入ります。
水・お茶だけだと、塩分が足りず、熱中症の予防と治療には充分ではないことに注意しましょう。
水分と塩分が含まれるものとして他に、昆布茶、味噌汁、スポーツドリンクなども良いです。ただし、スポーツドリンクは種類によっては塩分が少なめで糖分が多めであることもあり、飲み過ぎには注意が必要です。
熱中症と風邪の見分け方
お子さんが日中暑い場所にいて、帰宅後急に熱が出た!そんなとき、「風邪かな?でも日中暑い場所にいたし、熱中症かも・・・?」と悩むことがあると思います。
屋内でも屋外でも、暑い場所にいた後の体調不良はすべて熱中症の可能性があると考えた方が良いでしょう。本人が比較的元気で、水分が摂れていたら、身体を冷やして経過を見ましょう。
風邪でしたら、喉の痛み、発疹、鼻水、咳、下痢・嘔吐などの風邪症状も出てくることが多いです。
熱中症であれば、水分が摂れて身体が冷えれば体温も下がり、症状は良くなっていくはずです。
ただし、風邪で熱が高く脱水になり、熱中症になる事もあります。熱中症の症状で記載したレベル2以上の状態であれば、救急受診しましょう。