- 5月 17, 2023
お薬の上手な与え方とトラブル対策(飲み薬、坐薬、目薬)
こんにちは!湘南辻堂こどもクリニックの坪田伶那です。
お薬をもらった時に、悩むことの一つが、薬の与え方ですよね。お子さんは、お薬に抵抗することも多く、嫌がりすぎて吐いたり、痛がったり、怖がったりすることもあります。ちょっとしたコツでうまく使えるようになると、お子さんもお家の方も楽になると思います。ここでは、薬の与え方について、お話したいと思います。
内服(飲み薬)
- 1日2回のお薬は、朝と夕など、12時間ごとに飲みましょう
- 1日3回のお薬は、便宜上朝昼夕食後と書いてありますが、おおむね8時間くらいの間隔で飲めば大丈夫です。特別指示が無い限り、食後ではなくても飲んでもかまいません。
- 赤ちゃんは吐き戻し防止のため、授乳前に飲ませるとよいでしょう。
- 飲ませて30分以内に吐いてしまったときは、再度飲ませてもよいです。
- シロップのお薬は甘く作られていますが、そのままで飲みにくい時は、ジュースやゼリーに混ぜてもよいです。
- 粉薬は時に苦かったり、ざらざらしたり、飲ませるのに苦労することもあると思います。粉薬が苦手なお子さんは、水に溶かしてスポイトで飲ませるのもおすすめです。味が苦手な場合は、オブラートやゼリー、ミルク、ジュース、味の濃いチョコアイスなどに溶かして飲ませるとよいでしょう。冷たいと味を感じにくいのでアイスは特にオススメです。ただし、お子さんに気がつかれると、その後その食べ物に、薬が入っていると思ったり嫌いになることもあります。食べ物や飲み物に溶かしたり混ぜたりするときは、気がつかれないようにしましょう。舌に直接つくと苦味を感じやすいので、できるだけ薬が舌につくのを避けるために、少量の水で団子状に練って上あごにこすりつけ、その後水分を与えて飲ませるのも有効です。
坐薬(おしりから入れるお薬)
うまく薬を飲めないとき、吐き気で口から飲めないとき便利なお薬です。でも、嫌がるお子さんや、下痢の時は使いにくいです。冷蔵庫で長く保存もできます。坐薬には、熱冷まし・痛み止め、吐き気止め、けいれん止め、下剤など色々な種類があります。
【使い方】
- 体重や年齢に合わせて、はさみで切って使います。
- 赤ちゃんでは、仰向けでおむつを変える姿勢で入れます。
- 大きいお子さんでは、横向きで膝を曲げさせると入れやすいです。
- 手であたためると表面がなめらかになり、入れやすいです。また、先っぽにオリーブ油やワセリンなどを塗ると、入れやすく、お子さんも痛く感じにくいです。
- 2種類入れたい場合は、30分あけて使用しましょう。例1)吐き気止め坐薬→30分後に熱冷まし坐薬、例2)けいれん予防坐薬→30分後に熱冷まし坐薬
- 入れてもすぐに出てしまった場合、そのまま出てきたらもう一度入れても構いません。形が崩れているときや、30分以上経っているときは、薬の成分は溶け出しているので追加しないほうがよいでしょう。
目薬
お子さんを仰向けにし、目頭付近にたらし、まばたきをさせます。下まぶたを引っ張りながらたらしてもよいでしょう。嫌がったり、目をつぶってしまっても、まばたきすると、目の中に入っていきます。泣いて涙で流れてしまうと、お薬の効き目が弱まることがあります。点眼を怖がる子は、目を閉じた状態や寝ている間にたらすのも、一つの方法です。
*困ったときは、当院までいつでもご相談ください。薬局さんとも連携して、お子さんに適したお薬を一緒に考えていきましょう。*